回覧板、手渡しでつなぐ。小さな声かけが、ご近所交流のきっかけに
回覧板や広報誌は、地域とのつながりを運んできます
私たちの住む地域では、回覧板や広報誌が大切な情報を運んでくれます。役場からのお知らせや、地域のイベント、防災情報など、どれも暮らしに関わる大切なことばかりです。
回覧板などが回ってくると、「ああ、地域の一員なんだな」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。でも、これらを次の家へ回すとき、ついポストに入れるだけで済ませてしまう、ということはないでしょうか。もちろん、それで何の問題もありません。
ただ、もしほんの少しだけ、いつもと違う方法で回してみると、もしかしたら新しいご近所とのつながりが生まれるかもしれません。
ポストではなく「手渡し」をしてみませんか?
回覧板や広報誌を、次のご近所さんのポストに入れるのではなく、インターホンを押したり、玄関先で偶然お会いしたりした際に「手渡し」してみることを考えてみませんか。
もちろん、これは「こうしなければならない」ということではありません。相手の方のご都合もありますし、ご自身の体調や気分がすぐれない時もあるでしょう。あくまで、無理のない、ゆるやかな気持ちで試せるアイデアです。
手渡しをすることには、いくつかの良い点があります。
- 相手の顔を見られる: ポストに入れるだけでは分からない、相手の方の元気な様子を確認できます。
- 短い会話が生まれる可能性: 「こんにちは」の挨拶だけでなく、ほんの少し言葉を交わす機会が生まれます。
- 安心感につながる: 手渡しで受け取る側も、「〇〇さんから回してもらったんだな」と安心したり、ちょっとした声かけが嬉しかったりするものです。
- 体力やデジタルスキルは不要: 手渡しは、特別な体力や難しい操作が一切いらない、誰でもすぐにできる行動です。
手渡しの際に試せる、小さな声かけ
「手渡ししたい気持ちはあるけれど、何を話したらいいか分からない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも大丈夫です。大げさな話は全く必要ありません。ほんの一言、二言で十分なのです。
例えば、このような声かけはいかがでしょうか。
- 「〇〇さん、こんにちは。回覧板です。」
- 「回覧板が回ってきましたので、お持ちしました。」
- もし相手の方が玄関先に出てこられたら、「いつもありがとうございます。」と付け加える。
- もし少し時間がありそうなら、その日の天気について「今日も暑いですね」「雨がひどかったですね」など、当たり障りのない話題を付け加えてみる。
これらはあくまで例です。ご自身の言いやすい言葉で、心からの挨拶をするだけでも、きっと気持ちは伝わるはずです。
もしインターホンを押しても応答がない場合や、相手の方が忙しそうにしている場合は、無理せずポストに入れましょう。「手渡しできたらいいな」くらいの、ゆるやかな気持ちが大切です。
小さな手渡しから生まれる、ゆるやかなつながり
回覧板や広報誌の手渡しは、ほんの数秒、あるいは数十秒のできごとかもしれません。でも、その積み重ねが、ご近所さんとの間に「顔見知り」という関係性を育んでくれることがあります。
「ああ、回覧板をいつも持ってきてくれる〇〇さんだ」と相手に認識してもらえたり、「いつも手渡ししてくれる△△さん、お元気そうでよかった」とあなたが安心できたり。
そうした小さな関わりが、いざという時に助け合ったり、困った時に「あの人なら声をかけられるかな」と思い出したりする、地域でのゆるやかなつながりの土台になっていくのです。
無理のない範囲で、試してみませんか?
回覧板や広報誌の手渡しは、特別なことではありません。いつもの暮らしの中で、少しだけ意識を変えてみる、ほんの小さな行動です。
「今日は天気も良いし、回覧板を手渡しに行ってみようかな」 「ちょうど玄関先でお向かいさんが作業しているみたいだから、持って行ってみよう。」
そんな風に、無理のない、ご自身のできる範囲で、ぜひ試してみていただけたら嬉しいです。小さな一歩から、地域との温かい交流が生まれるかもしれません。